フルカ山岳蒸機鉄道(DFB)その1 HG3/4
DFBの前身フルカ・オーベラルプ鉄道(FO)がフルカ・トンネルを開通させた1982年に廃止となっていた旧線を利用して、夏の間(6月下旬~10月上旬)蒸気機関車を走らせようと1992年にボランティアによる活動が開始された

HG3/4は、車軸配置1’Cのタンク機関車で動輪用2シリンダとラックギア用2シリンダの計4シリンダを装備している。蒸機運転を模索していたボランティア団体が、FOの電化により廃車となり1947年にベトナムへ輸出された4両が、ベトナム戦争後ベトナムで放置されているのを発見し、スイスに里帰りさせた機関車である。結局、状態の良かった1号機と9号機を復活させているが、9号機は写真を撮影した1993年10月にはDFB2号機として運行されていた

ボランティア活動が始まった翌年の1993年に訪問したが、列車は比較的平坦な1駅区間を往復しているのみで、本当に峠を越えて線路を整備出来るのかどうか疑問であったが

始発駅レアルプで出発を待つ1号機の引く2番列車。スイスの10月は朝晩かなり冷え込み、山肌には日が当たっているものの、谷底にある始発駅には10時近くなっても日が射さず、冬の様相である。レアルプにて2001年10月

2000年からは峠を越えてグレッチまで延伸し、全線開通に向けて前進していた

通過時刻の10時20分を過ぎても線路はまだ日陰であった。この日は幸いなことに20分遅れで発車してくれたので、日影が手前の岩まで後退していた

機回し中の1号機。2001年当時は、この駅グレッチが終点であった

機回しを終えてレアルプに向けての復路運転の準備が整った1号機 2001年10月

2010年からは旧線全線が開通してレアルプ~オーバーヴァルト間18kmの運転となった。尚、最大勾配118パーミルのため勾配区間はアプト式のラックシステムを採用している

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