鞆の浦(とものうら)は、広島県福山市にある鞆港周辺の古い町並みが人気の港町で、常夜燈や雁木(がんぎ)といった江戸時代の港湾施設が残っていることでも有名である

常夜燈や雁木が残る港。宮崎駿氏が、2004年11月に社員旅行で訪れた鞆の浦をたいそう気に入り、2005年春、一軒家を借り切って2か月間滞在し、さらに2006年夏、自炊生活をしながら散策する毎日をおくり、『崖の上のポニョ』として映画化した、とウィキペディアの「鞆の浦」にある 2011年(平成23年)10月

街中は車1台がやっと通れる位の道幅。バスは当然街中に入れず、停留場は少し離れた場所になる

街の景観にピッタリのバスが停車していた。車体に書かれた「鞆(とも)鉄道」は、1910年(明治43年)に設立された鞆軽便鉄道がその始まりで、後に鞆鉄道と社名変更したが、1954年(昭和29年)には鉄道線を廃止してバス専業会社となっている 2011年(平成23年)10月

いすゞ BX341 1958年(昭和33年)式 新日国工業製
新日国工業製の車体では現存する唯一の車体である。新製された1958年には奈良交通で、1966年から1971年は琴平参宮電鉄バスで活躍していた。廃車後、野ざらしで荒廃していたものを福山自動車時計博物館が、2003年(平成15年)に見事にレストアしたもので、この「いすゞ BX341」はボンネットバスの中でも名車とされている。現在も、シーズン中は週末のみ定期観光バスとして活躍中である(現在は、コロナ・ウィルスのため休止中)
尚、同博物館では、2002年(平成14年)に、同じく「いすゞBX341 1959年 金産車体製」をレストアしている。このボンネットバスは、愛媛県の瀬戸内運輸等で活躍した後廃車となり、広島県内で物置となっていたものをレストアしたもので、新潟県の越後湯沢にある企業に譲渡され、現在は鞆鉄道のバスと同一の塗装で、魚沼交通所属の観光バスとして活躍中である
(バス説明文:竹内 聡)