北海道における鉄道発祥の地と言えば、小樽の手宮である。小樽港に近い手宮には機関庫が造られ、手宮を起点として幌内鉄道が1880年(明治13年)に札幌まで開通し、後に「国鉄7100形」と呼ばれることになるアメリカ・ポーター社製の「弁慶」「義経」が活躍していた

この広大な手宮機関区の敷地跡に「小樽市総合博物館」(旧・国鉄の「北海道鉄道記念館」)が開設されている。「旧手宮鉄道施設」として国指定の重要文化財となっていて、およそ50輌の車両が屋外展示されている 2020年(令和2年)6月

博物館で一番見たかったのが「レールバス」と呼ばれるキハ03。レールバスは、1954年(昭和29年)から49輌が製造されたが、この車輌が現存する唯一の車両で、準鉄道記念物に指定されている

床下のエアータンク。スノウプロウは、雪に負けたのかグニャグニャである。キハ03 1号機は、稚内機関区に配置されていた

2軸の台車は、貨車と同じ様な構造で、乗り心地は最悪である

室内のイスも簡単な造り。長距離の乗車はかなり辛い

国鉄気動車特急の花形は、何と言っても運転席のパノラミック・ウィンドウが特徴のこのキハ82系であろう。車両はキハ82 1で、準鉄道記念物である。1960年代、北海道では「おおぞら」「おおとり」「北海」「北斗」というディーゼル特急全てがキハ82系であった

非電化区間の急行といえばキハ58系。全国では一体何輌の58系が活躍していたのだろうか?北海道でも急行「ライラック」「アカシヤ」「すずらん」「宗谷」「狩勝」「阿寒」等々、名前を挙げれば切りがない。保存車両は北海道用の寒冷地仕様となっているキハ56 23

一時期、北海道内のローカル線は殆どこの車輌であった。保存車両のキハ22 56も北海道用の寒冷地仕様となっていて、客室の窓も小さい

1輌に郵便室、荷物室、普通席が同居しているキハユニ25 1。合造車という貴重な車両だが、傷み方がかなり酷く心配だ