ドイツ国境に近いスイス・シンツナーッハに農林学校の実習農場がある。園内では日本から輸入した「鹿沼土」が積み上げられ、盆栽に針金を掛けている生徒もいる。近くには「Bonsaicenter」(盆栽センター)なる直売所があり、広大な敷地に多くのビニールハウスが立ち並ぶ。ただ、今回は盆栽の話ではなく、その農場内を走り回る軌間600mmの蒸気機関車の話である

鉄道の名前はシンツナーッハ農林学校鉄道(SchBB)。学校の代表的SLは「セコイア」。ワルシャワ北部でTy3-194という名前で使用されていた機関車で、1978年に入線している

本来、木や土、肥料を運ぶため1928年に敷かれた軌間600mmのレール。1980年に協会が設立され、本格的に蒸気機関車鉄道の運営を始めた比較的新しい協会ではあるが、現在、9輌の蒸気機関車と6輌のディーゼル機関車を所有するまでになっている

セコイアは、外台枠式のCタンクである

そして、ここが車庫兼工場である。1995年の訪問当時、車庫の中では1988年に南アフリカから輸入されたガーラットNGG13を修理中で、ガラス戸の奥には赤く塗られたガーラットのボンネットが見える。ガーラットは、修理に10年の歳月を要して1998年に運転を開始している    以上の写真は全て1995年9月撮影

SchBBで復活したガーラット型機関車。不思議な構造である(LOKI Spezial43号より転載)

全長3kmにも及ぶ学校内の路線図(LOKI Spezial43号より転載)