東京での貨物の起点「東京貨物ターミナル」を22時12分に出発する夜行貨物列車がある。列車名は1095列車。行先は茨城県鹿嶋市にある「鹿島サッカースタジアム駅」。サッカーの試合が行われる時だけ使用される無人駅で、この駅まで東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城を走りぬけるロングラン列車である9時間が経過した翌朝7時過ぎ、やっと鹿島線延方~鹿島神宮間の北浦を渡り、7時15分に鹿島サッカースタジアム駅に到着する1095列車。2021年(令和3年)5月1095列車は、東京貨物ターミナルを22時12分に出発し、浜川崎、鶴見を経て新鶴見停車。新鶴見を22時53分に出発して武蔵野線に入り、新座貨物ターミナル23時36分通過、南流山からは常磐線を東京方面に上り、金町を0時27分に通過してから貨物専用線・新金線に入り0時38分に新小岩着。ここで機回しと時間調整で4時間停車した後、4時42分に新小岩を出て総武線、成田線、鹿島線と走り、鹿島到着となる(黒線はJR線。赤線部分は鹿島臨海鉄道鹿島臨港線)
日本トランスシティの20ftバルクコンテナを積載したコキ200を牽引する「桃太郎」EF210 163。この列車は、3月まではEF64の仕業であった
鹿島線の終点、鹿島サッカースタジアム駅は、サッカーの試合が行われる日のみ営業する駅で、通常、JRの旅客車両は一つ手前の鹿島神宮駅までの営業となる。鹿島神宮~鹿島サッカースタジアム間は臨時列車を除き貨物のみの営業となり、鹿島サッカースタジアム駅はJR貨物と鹿島臨海鉄道の貨物引継ぎ駅となっている
7時15分に鹿島サッカースタジアム駅へ到着したEF210は、逆コースの12時50分発1094列車牽引の為、側線で5時間35分の休息
貨物営業のみの鹿島線鹿島神宮~鹿島サッカースタジアム間には鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の気動車が乗り入れている
鹿島サッカースタジアムは、言わずと知れた鹿島アントラーズの本拠地。ただ、付近は森と畑ばかりで、森に埋もれた古代遺跡のようで寂しい限り