愛知県の明治村を訪れると、走っている蒸気機関車と客車の古さに驚かされる。「明治村」と謳っているので、当然明治生まれだろうと推測は出来るが、それにしても元気で稼働していて、整備の苦労が窺える

かん高いホイッスルと共に現れた12号機。牽引する客車も明治時代の強者だ

到着するとすぐに方向転換が行われる。小型とは言え蒸気機関車。2人で回すターンテーブルは重労働だ。12号機は、1871年(明治4年)に、イギリス・シャープ・スチュアート社で作られた御年148歳のタンク機関車で、1872年に輸入されている。鉄道省で使用されたが、後に形式変更され「国鉄160形」となった

国鉄から尾西鉄道に払い下げられた際に12号機となり、後に合併で名古屋鉄道となった際も、そのまま番号は引き継がれ12号機で現役を終えている。サイドラインが美しい

1957年に廃車となった後は名鉄ラインパークで保存。その後、明治村のオープンの際に同村に移動して静態保存されていたが、1965年、鉄道100年記念事業で動態化されて復活を果たした

1985年には、ボイラーが新製されているので、しばらくは大丈夫。方向転換が終了して汽笛一声、機回しに向かう

走る距離が短いのが残念だが、走行路線の両端にターンテーブルがあるという贅沢な作りである