45年前の1976年(昭和51年)3月、山陰本線の大田市(おおだし)に近い仁万(にま)の宿で「石見銀山という面白い場所があるから行って見ては?」と言われた。朝から雨も降っていて撮影もままならぬので、おススメに従うことにした。仁万駅から大森という町にバスで向かう途中、山間部に入ると雨から雪模様となった

苔に覆われた石造物が多数みられるこの街には、驚く程に寺院も多く、江戸時代の繁栄が偲ばれる。銀峰山清水寺(せいすいじ)山門も左右に石像が並ぶ

羅漢寺に並ぶ五百羅漢像

復元された大森代官所跡だけは、比較的綺麗な建物であった

即応山勝源寺の山門は外壁がなく、山門の天井に描かれた龍が凄い

雪厳山栄泉寺。竜宮門のようなアーチが特徴的な山門

2007年、この寂れていた石見銀山が、まさかの「世界遺産」に指定された。確かに当時の石見は、銀の産出量が世界的にも突出していて、中世の世界地図にも「Iwami」と記載されていてる程で、その価値を知らなかったのは日本人だけだったのかもしれない