宮城県には多くの交流電気機関車が保存されていた。「いた」と過去形で書かなければならない程に保存機関車の状態は現在最悪で、正に風前の灯、その解体はひっ迫している。

日本国内でも交流機の保有では最大の台数を誇る利府にある新幹線仙台総合車両センター。センターの裏手には何台もの機関車が並んでいるにも関わらず、ここ数年来、この場所は閉鎖されたままであり、修理をしている様子もない。何の修理もしないで何年も野ざらしにして腐らせておいて、「危険」という名目で解体に追い込むというJR東日本の得意芸で、これらの交流電気機関車全てが消滅する可能性がある

保存機関車の中で唯一のF級機 EF71 1号機。板谷峠越えに開発された機関車でED78との重連運転が可能であった 2010年9月

ED77 1号機は、ED75に中間台車を付け、軸重を軽くする事で、亜幹線に入線出来るようにした機関車

中間台車はTR103。空気ばねの圧力を調整して両サイドの動輪軸重を4段階に調整することが出来た

鉄道文化財的価値のあるED71 1号機。4号機からの量産型とは台車が全く異なる

ED71の独特なサイドルーバーは、製造当時の流行であった

過渡期の機関車で、それも試作の1号機なので床下機器も独特。送風機が目を引く

新幹線仙台総合車両センターの敷地内には、この他にも、ED75 1号機、ED91 21号機、C11 351号機、C58 365号機、D5141108号機が保存されている(と言うより、放置されている)