30年ぶりに東武日光駅に降り立った。町並みは代わり映えしないが、整備された駅前広場に路面電車が置かれているのが目に入った 2022年(令和4年)9月

国鉄「日光駅」と中禅寺湖観光の起点の駅「馬返」間を運行していた路面電車である。廃線時は「東武鉄道日光軌道線」と呼ばれていて、形式は東武100形、現役当時は109という車番が付けられていた

100形は1953年(昭和28年)にオリジナルデザインで10両が宇都宮車輛(現・富士重工業)により製造されている。中禅寺湖に続く第一いろは坂、第二いろは坂の開通により軌道線利用者が激減し、1968年(昭和43年)に日光軌道線が廃線になると、当然の事ながら、僅か15年しか使われていなかった車輛も廃車となってしまった

この廃車車輛10輌全てを引き取ったのが、岡山電気軌道である。岡山電軌で改造を受けて車番3010となっていた109であるが、廃車後の2012年(平成24年)に日光霧降高原の観光施設への寄贈が実現し、更に、2020年(令和2年)には活動拠点であった東武日光駅前へと里帰りを果たしている

台車はブリル製台車を基本に住友金属が作ったKS40J。山岳線使用の為、路面電車としては異例のブレーキシリンダーを搭載していた

岡山電気軌道では、現在も2輌の東武100形(旧車番108及び110)を保有している。110は岡山電軌車番3005として東武日光軌道線色に塗装されて運行されているが、108は水戸岡デザインにより最低最悪の黒色車輌となってしまっていて、これも早期に日光軌道線色にしていただきたいものだ