1998年(平成10年)5月、備前焼の窯元を訪れた帰路、西大寺に「西大寺鉄道キハ7」が保存されていると聞き、旧・西大寺市駅である両備バス西大寺バスセンターに立ち寄った

西大寺鉄道は、西大寺市(現在は岡山市に合併)と岡山市を結んでいた日本で唯一の軌間3フィート(914mm)の軽便鉄道であった 1998年(平成10年)5月

当時は野ざらしの状態で心配していたが、現在は屋根が掛けられて保存されているようだ。一先ず安心だが、産業考古学会より産業遺構に認定されており、鉄道遺産として屋内で保存して頂きたいものだ

キハ7は1936年(昭和11年)に川崎車輛で製造された定員60名の気動車

製造当時、鉄道車両には流線型スタイルが流行っていて、この車輌もそのスタイルが採用された訳だが、車両の前部に自転車も載せられる立派な荷台が付いていたのでは、流線型どころでは無い(そこが魅力なのだが)

1962年(昭和37年)9月、西大寺鉄道と競合する国鉄赤穂線が開通したため、同月をもって全線廃止となってしまった

それにしても、この足回りを隠す植木には閉口した。本当は台車を履いてないのではないかと邪推するほど見事に囲まれていて、保存しておきながら、わざわざ見せない様にしているのは、一体何のための保存なのだろうか  1998年(平成10年)5月