富山県の氷見線伏木駅近くにある伏木ヤードで、レストアの終了したケキ102を見学する機会をいただいた。国道8号線高岡バイパスを車で走っていて、まもなく伏木という時に、ボンネットバスが展示してあるのが目に入った
富山は中古バス販売会社が多く、国内のみならずロシアからもバイヤーが買い付けに来るという話を知人から聞いた事があったが、成る程この辺りかと思いつつ早速、許可を頂いて写真を撮らせてもらった。大型バスが30台以上並んでいたこの販売店は、中越バス販売株式会社の本社であり、このバスは、同社の所謂「看板娘」ということになる 2010年(平成22年)11月
いすゞ TSD40 1967年(昭和42年)式 北村製作所車体
山形県の八谷鉱業所で米沢市内から従業員の送迎用として活躍していた4WD車。同型のバスは、かつて東北地方の冬期の山岳路線用に多く存在していた。現在でも八幡平の松川温泉の冬期送迎用として活躍するバスも同種であり、他にも他社に譲渡されて活躍中のバスも多い。また同型のバスは、かつて航空自衛隊所属のものも多く存在し、山中にあるレーダー基地への連絡輸送用としても活躍していた。
それはそうと、お気持ちは理解できるのだが、車体に「限りなくバスを愛す。」と書かれてしまっているのは何とも・・・
いすゞ BXD30 1967年(昭和42年)式 帝国自動車工業車体
さらに工場内にもう1台。江若(こうじゃく)鉄道で使用されていたバスで、新製時から同社所属のまま、まとまった台数で1982年までと、最も遅くまで活躍していたボンネットバスである
江若鉄道から大阪の中央観光に引き取られ、同社系列の北海道阿寒湖のホテルで送迎用に使用されていたが、その際にボンネットバスでありながら冷房装置が載せられ、オリエント急行風の塗装になったようである。その後、本州に戻り、大阪中央観光バスの研修車等を経て、ここ中越バス販売に辿り着いた模様で、撮影当時、富山地方鉄道風の塗装に改められて整備中であった。現在は、上記の「いすゞTSD40 1967年式」に代わって同社の看板娘をしているようで、車体横にまたもや「限りなくバスを愛す。」の文字
(バス説明文:竹内 聡)
暫くの間、茨城交通那珂湊駅構内に留置されていた「ケキ102」も、伏木ヤードで綺麗にレストアされていた 2010年(平成22年)11月