宮城県には多くの交流電気機関車が保存されていた。「いた」と過去形で書かなければならない程に保存機関車の状態は現在最悪で、正に風前の灯、その解体はひっ迫している。

日本国内でも交流機の保有では最大の台数を誇る利府にある新幹線仙台総合車両センター。センターの裏手には何台もの機関車が並んでいるにも関わらず、ここ数年来、この場所は閉鎖されたままであり、修理をしている様子もない。何の修理もしないで何年も野ざらしにして腐らせておいて、「危険」という名目で解体に追い込むというJR東日本の得意芸で、これらの交流電気機関車全てが消滅する可能性がある

総合車両センターに保存されている機関車の中でも異彩を放つED91 21号機(改番前はED45 21号機)。この機関車の成功によりED71 4号機以降の量産型の生産に道をつけた重要な機関車である。残念ながらナンバープレートはなく、「日立」のメーカーズプレートのみであった 2010年9月

21号機は、DT111というゴツイ台車を履いている

乗務員は、前面に取り付けられたデッキより乗り降りするタイプで、旧型電気機関車の名残である 2010年9月

仙台総合車両センター近くの利府町森郷児童公園には1956年、東芝製のED91 11号機(改番前はED45 11号機)が静態保存されているが、こちらもかなり傷んできている 2018年5月

11号機のデッキは、21号機よりさらに小型

「東芝」のこのタイプのメーカーズプレートは珍しい

ED91 11号機はC58 354号機と共に保存されている 2018年5月