以前から、羽後交通雄勝線のデハ3が保存されていると地元羽後町の方から聞かされていた。一度見てみたいと地元の支所に電話を掛けてみると快い返事をいただき、2004年8月に最初の訪問を果たした。羽後交通雄勝線は奥羽本線湯沢駅から盆踊りで有名な西馬音内(にしもない)を経て梺(ふもと)駅までの11kmを結んでいた軌間1067mmの私鉄であり、デハ3は昭和3年(1928年)の開業時に新造された電車である

車輛は、雄勝線の終点、梺(ふもと)駅の跡地に建てられた建物の中にあった。シャッターを開けて驚いたのは、今にも動き出しそうなデハ3の状態の良さである

昭和2年の蒲田車輛製造株式会社製で、元々はデハニ3であった。木造車体で、戸袋には丸窓。新製当時は、流行の最先端を走っていたのであろう

手書きの文字がローカル色全開

修理されたとはいえ、室内も綺麗で、往時を偲ばせ素晴らしい。このまま博物館に展示出来そうだ

へッドライトが存在感を出す

運転席のマスコンもしっかり残されていて、立派な文化財だ