安部駅は、鳥取県八頭郡八頭町にある因美(いんび)線の郡家(こおげ)駅から若桜(わかさ)まで走っている第3セクター「若桜鉄道」の中の1駅である。元々は国鉄の若桜線で、JRになってから若桜鉄道として出発しているが、現在は保有するC12 167号機を動態化して本線上を走らせられるかどうかが注目されている

9駅ある内の6駅の本屋とホームが、国の登録有形文化財に指定されている若桜鉄道の中でも、唯一異質な雰囲気の駅が安部駅である。建物の切妻部分に正面があるのも珍しい

建物も異質だが、読み方が難しいこの地域の駅名の中で「安部」とは単純で異質である。どうも駅名で地元が対立した際に日下部地区と安井宿地区から1文字づつ取って作った駅名の様で、地元の地名に「安部」はない。建物の裏側は倉庫なのだろうか板戸となっていて、建物の中には現在「理容室」が入っていて営業中である

待合室、改札口は良い雰囲気である

改札口から見たホーム待合室。この雰囲気のある駅舎を山田洋次監督が見逃す筈はなく「男はつらいよ」の44作「寅次郎の告白」に登場させている

ここは、駅名だけではなく、ホームを線路のどちら側に設置するかでも大いに対立し、開業が他の駅より1年以上遅れている

踏切から見た駅の全景。手前にある立派な建物はトイレ

駅の裏手には田園地帯が広がる