オーストリアのナローゲージは殆どの鉄道が軌間760mmである。隣国スイスの殆どの私鉄が1,000mmか800mmなのに、なぜか微妙な違い。この理由を紐解くには、歴史、文化面からの考察が必要となりそうなので割愛する

オーストリアで最大のナローゲージ鉄道と言えば、ザンクト・ペルテンからオーストリアで最も有名な巡礼地であるマリアツェルまでを結ぶ、営業キロ数が84kmにも及ぶオーストリア連邦鉄道マリアツェル線であろう。そして、そのマリアツェル線でひと際注目されるのが、399.06から原型に復元された「Mh.6」である

マリアツェル線の主要駅オーバー・グラーフェンドルフ駅に停車中のMh.6。スタッフは、この日運転される特別列車のスポンサー名「フェロー・トレイン」のラッピングに追われていた 1996年9月

Mh.6は1908年にクラウス社・リンツ工場で製造された車軸配置0-8-0の機関車

この日の特別列車は鉄道模型の「フェロートレイン社」がMh.6の模型製作を記念して走らせたもので、途中のリゾート地ゲージンクに長時間停車

ゲージンク駅での長時間停車は、駅前のリゾートホテルで昼食を取るためという、何とも豪華なものであった(無料招待ではないと思うが)

ゲージンク~アンナベルク間を行くMh6。山が深く、撮影場所を探すのが大変

アルペンホテル ゲージンクから見た山並み