2008年(平成20年)の撮影を兼ねた新年会が2月に入ってから秩父で行われた。前日、同行者から「本日、秩父鉄道脱線転覆事故、明日は貨物ダイヤに影響の可能性大」というメールが入った。「転覆などとオーバーな!」と内心思いつつも、野次馬根性で事故現場を見学する事になり、運輸安全委員会のメンバーより早い到着となった

到着して驚いたのは、畑に横たわるデキ106電気機関車と、ホッパー車ヲキが3輌、そして、一面に広がる石灰石(写真、左手前)の山である。列車は車止めを突き破り、踏切を飛び越えて畑に落下していたのである(後方上が本線) 2008年(平成20年)2月

右が本線で、この先に影森駅がある。左は上り引き上げ線。当時、影森駅から昭和電工秩父事業所まで引き込み線があり、事故を起こした20輌編成の石灰石満載の列車は事業所を出て影森駅に向かった。影森駅手前でブレーキを掛けたが全く利かず、影森駅を通過して引き上げ線に入り、写真の左端から車止めを突き破って落下した。運転手は何と影森駅構内で機関車から飛び降りて軽傷であったという

原因はブレーキコックの開け忘れという単純ミスであった。流石に石灰石満載のホッパー車20輌に押されては、機関車1台では止めることは出来なかったようである。写真は石灰石とヲキの残骸。引き上げ線の途中には転覆を逃れたが脱線した貨車が1台置かれたままであった

転覆した車両と同型。荷重35tのヲキ100

TR41台車も無残な姿になり、まるで模型の様