長崎の街から諫早、佐賀方面に出ようとすると、鉄道に限らず車でも、必ず峠を越えなければならない。今でこそ長崎本線は新線トンネルが出来ているが、旧線では松ノ頭(まつのと)峠を越えるためサミットの長崎側にある本河内駅ではスイッチバックを使って長編成の優等列車、貨物列車を捌き、逆に諫早側では、海に近い隣駅の大草駅から隧道内のサミットまで徐々に標高を上げていく手法が採られ、4キロにわたって20パーミルの勾配が連続する事となった

この勾配を維持する為に、大草~本河内間には多くの築堤が造られた。谷の両側が伊木力(いきりき)みかんの段々畑の中に築かれた築堤をいくキハ56・57 長崎本線旧線本河内~大草間 2020年(令和2年)2月

山川内地区を分断するダムの様に高い築堤をいくキハ66・67

同じ地点を反対側のミカン畑から撮影(何れも私有地の為、許可を得て撮影)

20パーミルでこのカーブ。長編成列車を牽引した蒸気機関車の機関手・助手の方々は、さぞかし難儀したことと思う 写真は全て2020年(令和2年)2月