京都府与謝郡野田川町(現在は与謝野町)に加悦鉄道はあった。「かや」と読む。京都府と言っても日本海側の天橋立に近く、京都駅から100km以上離れていて、レンタカーでも2時間は必要な距離だ。1985年(昭和60年)に国鉄宮津線が貨物営業を廃止したため、丹後山田駅(現在の与謝野駅)に乗り入れていた加悦鉄道も貨物輸送が出来なくなり、収入を貨物に依存していた同線は廃止を余儀なくされた

両サイドにバスケットが付いた当時としては大型の17m気動車である加悦鉄道キハユニ51は、芸備鉄道キハユニ18として1936年誕生。芸備鉄道が国有化されてキハニ40921(40900形)となり、その後、舟木鉄道に払い下げられてキハニ51となった後、1963年(昭和38年)に加悦鉄道に売却された。加悦鉄道ではキハ51として廃線の1960年まで稼働していたが、1994年(平成6年)にキハユニ51に修復されて保存車両となっている 2006年9月

社内のメーカーズプレートには日本車両会社、昭和11年製とある

運転手は片側に追いやられているが・・・

乗客から見ると何ともパノラミック。鉄道にとっては、良き時代の良き車両だ

荷物室側の客席。開放的な車内で車体が長く感じられる

郵便室の木製仕分け棚が立派。棚の奥が運転席兼、荷物室