「牛に引かれて善光寺参り」という話はあるが、今回は「犬を引き連れ大山詣で」。大山は神奈川県の伊勢原から程近く、丹沢山系の東端に位置し、三角形の山容は関東平野の殆どの場所から確認出来る山である。江戸時代から雨乞いの神として信仰を集め、今も参道には多くの宿坊が並ぶ。麓の駐車場から300段以上続く石段の両脇には、土産物屋と食事処が立ち並び、立派な門前町であるが、時代に取り残された感がある。そして、この石段を登り終わった先に大山ケーブルカーの駅がある

大山ケーブル駅に停車していたのは、何とも斬新的なデザインの車輛。色が色だけに、虫のようだが、ただ、どこかで見た様なデザイン?そう、あの真っ赤な小田急の最新型ロマンスカーGSEにそっくりである。同じデザイン事務所とはいえ、このデザインは・・・

前面(下面)に比べて反対側の上部妻面は何とも質素なデザイン。避難用(?)のドアとステップのみで、まるで電車の連結面のよう。そして、架線が無いのに立派なパンタグラフが付いているのを発見。上下の駅に架線がある事を考えると、停車時に充電しているようだ

シートも下方を向いていて、完全に下界の景色優先。天井のデザインが電車らしくなく、ユニークである

何処のケーブルカーにも、必ず中間地点に交換場所があるが、大山ケーブルカーでは、上手い事に「大山寺駅」という中間駅になっていて、ホームと跨線橋がある

さて、最初に書いた犬の乗車であるが、抱いて乗車はどんな小さな犬でも不可という事で、無料でケージを貸してくれ、手荷物としての扱いとなる。当然の事ながら、手荷物代金を支払う。何匹入っていても1ケージに付き往復410円。