常磐線平駅から再び夜行急行「第2十和田」に乗り2日目の夜行泊となる。東北本線を北上し盛岡の少し先の急行停車駅、沼宮内で下車。この日は、ひたすら線路に沿って歩き、列車が来ると撮影、また歩いて撮影。そんな事を繰り返しながら沼宮内駅から御堂駅、奥中山駅と過ぎ奥中山~小繋間のトンネルまで行き、トンネルから奥中山駅まで引き返し約18kmを歩いている。何故そのような撮影の仕方をしたのか判らないが、漠然と歩きながら、ただ来た列車を撮っていても良いアングルで収められる訳もなく、不良なカメラと相まって他人に見せられる「これが奥中山」という写真は残念ながら1枚もない。ただ、SLといえば川越線の9600しか見た事がなかった私にとって、次から次へとやってくるD51、C60、C61の重連、三重連の凄まじい迫力は目に焼き付いていて、忘れる事はない

歩き出して間もなく青森発上野行特急2D「はつかり」とすれ違う。当時はキハ81系を使用していた

 

既に奥中山は架線も張られ、43年10月の「よんさんとお」と言われたダイヤ改正に向けてED75の試験運転も始まっていて、蒸気機関車全盛時代終焉の足音が聞こえ始めた50年前である