オーストリアのナローゲージは殆どの鉄道が軌間760mmである。隣国スイスの殆どの私鉄が1,000mmか800mmなのに、なぜか微妙な違い。この理由を紐解くには、歴史、文化面からの考察が必要となりそうなので割愛する

オーストリア連邦鉄道は1906~1908年に、マリアツェル線用として6輌のMh型と呼ばれる機関車をクラウス・リンツ工場に発注した。MhのMはマリアツェル線のMである。だが、立派な蒸気機関車を作った割には、3年後の1911年にマリアツェル線を電化し、6輌のMh型蒸気機関車は、他のナロー線区へと転属となった。
やがて、
399.01~06とナンバーを変えたMhは、オーストリア北部、チェコとの国境に近いグミュントの機関区に集められた

399.02は現在もグミュントに保存されているが、自力走行不能である
以下、写真は全て1996年9月撮影

399.03号機は、グミュントの町から南北に伸びるヴァルトフィアテル鉄道にて動態保存されている

テンダー部分は2軸台車を履いていて、このテンダーサイドに機関士が乗務している。機関車とは連接構造になっているので、正式には連接式タンク機関車となるのか?

399.04号機はグミュントにて静態保存。1994年当時から走行は出来そうになかった

966.01号機はザルツブルクに近いツェル・アム・ゼーとクリムルを結ぶピンツガウ鉄道にて動態保存中

966.05号機はグミュントから出ているヴァルトフィアテル鉄道の終点ハイデンライヒシュタインにて個人所有

966.06号機は「Th.6」号機として復元され、マリアツェル線にて動態復活を果たしている