薩摩半島の西側を、鹿児島本線の伊集院から加世田を経由して枕崎まで走っていたのが南薩鉄道である。1964年(昭和39年)に、合併して鹿児島交通の一員となったが、1983年(昭和58年)6月の加世田豪雨の災害復旧が困難となり、延び延びとなっていた地元自治体との鉄道廃止の合意が一気に加速して1984年(昭和59年)3月に呆気なく廃止となってしまった

加世田駅跡地はバスターミナルになっていて、その広さが往時の加世田駅を偲ばせる。そのロータリー部分に南薩鉄道4号機が置かれている 2021年(令和3年)9月

南薩鉄道1~3号機は、ドイツ・ハノマーグ社製蒸気機関車を使用していたが、4号機は日本車輌製となった。1・2号機は今もバス修理棟に保存されている

奥にあるバスの修理棟に「鹿児島交通キハ103」も保存されており、修理作業員が在所の場合は見学させてもらえるのだが、残念ながらこの日は不在

4号機は太平洋戦争中に米軍グラマン機の機銃掃射を浴び、屋根上から側面後部に弾が貫通し、弾痕がそのまま残っていると、高井・田尻両氏の著書「鹿児島交通南薩線」にある。確かに貫通したような穴がある

加世田バスターミナルには、DD12 01号機も屋外展示されている。ラジエターを脇に増備している新三菱製の36t機。同型のDD12 02は整備工場内に保存されている